鉛温泉の一軒宿「藤三旅館」は、1786年開業の歴史ある温泉宿。温泉の起源はさらにさかのぼり、今から600年以上前、当主である藤井家の祖先が、桂の木の根元から湧き出るお湯で傷を癒す白猿を見たのが始まりと言われています。
そんな藤三旅館の名物は、深さが125cmある「白猿の湯」。立って浸かる、全国でも珍しいお湯です。そして、この場所こそが、温泉が発見された「桂の木の根元」。天然岩をくり抜いた浴槽の底からは、今もお湯が湧き出しています。すごい! 元から深いわけではなく、湯の出がよくないときに掘っていった結果、今の深さになったとのこと。湯船の底は、そばを流れる豊沢川の川底とほぼ同じ高さで、これ以上掘るとなぜか川の水が混じってしまうのだそうです。
浴場は、本館が建てられた1941年(昭和16)と同時期につくられたもの。入り口を開けると下に降りる階段があり、見下ろした先に浴槽があります。立って湯に浸かると、頭上には3階分の高〜い吹き抜けがあり、不思議なながめ。立ち湯は全身に水圧がかかるため、血行促進効果が期待できるとか。ぜひ、みなさんに体験してほしいです。(基本は混浴ですが、女性専用時間も設けています)
日帰り入浴料金 700円(子ども500円)
日帰り入浴時間 7:00~21:00(最終受付20:00)
※「白猿の湯」のほか「桂の湯」「銀の湯」「白糸の湯」に入れます
「黒いもの」で括るとは意外だべ? でも壁や床の岩が黒くて、独特の雰囲気なんだ。あとで入りにあんべ(行こうよ)。
いぐべ(行こう)!「立ち湯」は足腰にいいって、聞いたっけ。でも、2人が入ったら浴槽のお湯が空になるかもしんねえな!!