市街中心部から、県道297号(花巻温泉郷線)を進むこと20分。川沿いの道を辿った突き当たりに現れる「台温泉」は、山峡に佇む静かな温泉街。「台」とは、アイヌ語で森林を意味するそうですが、まさにその名の通り、豊かな樹木に囲まれています。
およそ1200年前に征夷大将軍・坂上田村麻呂が疲れを癒したという伝説が残り、史実でも600年前に発見されたと記録が残るこの温泉、江戸時代には盛岡藩が管理する湯治場として重用されていたそうです。お話を伺った「松田屋旅館」の松田忠専務によると、かつてはどこを掘っても「温泉しか出てこない」場所で、水道が整備される前は炊事や洗濯にも温泉を使っていたとのこと。すごい。
そんな台温泉は湯量が豊富。そして温度が高い。つまり「アツい(熱い)」。温泉街には5箇所の共同源泉がありますが、その多くは90℃以上! 引湯(パイプでお湯を運ぶ)をしてもまだ熱く、タンクに貯めるなどして調整しているそうです。湯温の高さを生かして(?)浴槽の湯を熱めにしている宿もあり「それがいい」と通う常連さんも多いとか(ちなみに松田屋旅館さんでは「熱過ぎずいい塩梅の42℃」に設定しているそうです)。
日帰り入浴OKのところも多く、湯めぐりも楽しい台温泉。春夏の緑、秋の紅葉、冬の雪景色など四季折々の風情も趣があり、旅気分を満喫できますよ。
取材協力/松田屋旅館
台温泉は、熱めのお湯のどごが多い気がするな。さっぱりするし、疲れがスッと取れてあんべ(塩梅)いいよ。せっかぐだがら入るべ!!
狭い道に宿が立ち並ぶ温泉街になっていて、花巻では珍しい風景でがんすね。鄙びた雰囲気がまたいいごど〜。ささ、みんなも湯っこさあんべ(おいで)。